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齋藤 伸三*; 小川 益郎; 日野 竜太郎
Global Warming, p.141 - 158, 2010/09
本稿は、地球温暖化問題やエネルギー安全保障に対する原子力エネルギーの役割を低炭素社会構築の観点からまとめたものである。世界のエネルギー消費量の展望,想定される化石資源埋蔵量,炭酸ガス放出量の予想などについて概観し、低炭素社会に向けて炭酸ガス放出やコストなどに対する各種エネルギー源(再生可能エネルギーや原子力など)の優位性を総括的に評価した。そのなかで、低炭素社会を構築するには、世界のエネルギーの半分以上が消費されている非発電分野での化石燃料消費を削減することが重要であり、炭酸ガス放出のない原子力エネルギーを発電のみならず非発電分野に利用する有効性を明らかにした。その有効性を実証する方策として、日本原子力研究開発機構で開発した超高温ガス炉(VHTR)である高温工学試験研究炉(HTTR)、炭酸ガスを排出することなく水を熱分解して水素を製造する熱化学法ISプロセスを紹介し、さらに、これらの技術を統合することによりVHTRで発生する熱を80%もの効率で利用することができる最先端の原子力エネルギーシステムである高温ガス炉カスケードシステムについて紹介した。